お盆に実家へ帰る予定を立てていたら、天気予報に台風のマーク。
そんな年もあります、そしてまさに今年がそう。
せっかく掃除や墓参りをしようと思っていたのに、と少し気が重くなるかもしれません。
でも、実は掃除より先に済ませてほしいことがあります。
それは「家の外を10分だけ一周して見ておく」こと。
屋根に上る必要も、専門知識もいりません。
特に、人が住んでいない空き家は被害の発見が遅れやすく、早く気づけるかどうかが分かれ道になります。
この記事では、所有者ご本人ができる備えを、やさしくまとめました。
台風と聞くと、多くの方がまず屋根を心配します。瓦が飛ばないか、屋根から雨漏りしないか。テレビでも屋根の映像がよく流れますね。
でも、実際に現場を見ていると、台風のときに水が入ってくるのは屋根以外からのことが少なくありません。
理由はシンプルで、台風の雨は普段の雨と降り方が違うからです。普段の雨は上からまっすぐ降ってきます。だから家は「上から守る」ようにつくられています。ところが台風は強い風が加わり、雨が横から吹きつけたり、軒下に下から吹き上げたりします。
そうなると、普段は濡れない場所が濡れます。窓やサッシの上、雨戸の戸袋、外壁の継ぎ目、換気口。ふだんの雨では出番のない隙間から、すーっと水が入ってくることがあります。
「うちは今まで雨漏りしたことないから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。ただ、台風の雨は別物として見ておくと安心です。今まで平気だったことと、次の台風で平気なことは、あまり関係がないからです。
もうひとつよく聞くのが、「点検は専門業者じゃないと分からない」という声です。
たしかに、屋根の中や壁の内部は見た目では分かりません。でも、台風の前に本当に効くのは、プロの精密検査ではないことが多いのです。いちばん大きいのは、所有者が家の外を一周して、自分の目で見ておくことです。
なぜなら、台風の被害は「小さな隙間から少しずつ」始まることが多いから。最初は窓枠がちょっと濡れただけ。それが数週間放置されると、壁の中に水が残り、カビが出て、木が傷んで、気づいたときには大がかりな修理に、ということも起こり得ます。
つまり、早く気づけるかどうかが分かれ道です。そして早く気づくのに、資格は要りません。
実家に着いたら、中に入る前に家の外をぐるっと一周してみてください。正面だけでなく、裏側や隣家との間も。これは動物や空き巣の対策にもつながります。
見るのは、次の3つで大丈夫です。
ひとつめは雨どい。落ち葉や土で詰まっていないか。詰まると水があふれ、軒裏や外壁に回り込みます。下から見て樋から草が生えていたら、そこに土が溜まっているサインです。
ふたつめはベランダと側溝の排水口。ここが詰まると水がたまり、サッシの下から室内に入ってくることがあります。地味ですが、被害の入口としてかなり多い場所です。
みっつめは外壁のひび割れと換気口。特に窓の角、配管まわり、換気フードのゆるみ。風に押された雨の通り道になりやすいところです。
この3つを見て、ついでに窓の鍵が閉まるか、雨戸が最後まで下りるか、庭に飛ばされそうな物(植木鉢、物干し竿、脚立など)がないか、木の枝が家に当たりそうかを確認できれば十分です。
余裕があれば、室内の天井や押入れに染みがないか、大事なアルバムや権利書などが床に置きっぱなしになっていないかも見ておくと安心です。ただ、全部やろうとすると腰が重くなるので、まずは外の3つだけで大丈夫です。
屋根には上らないでください。 台風の前後は屋根材が浮いていたり、表面が滑りやすくなっていたりします。異常があるかどうかは、地上から見るだけで十分です。安全がいちばんです。
ここまでは、どのお宅にも当てはまる話です。ですが、空き家や長く留守にしている実家には、もうひとつ気をつけたいポイントがあります。
発見が遅れることです。
人が住んでいれば、雨漏りが起きればすぐ気づきます。でも空き家は、次に誰かが訪れるまで誰も気づきません。数週間、場合によっては数か月、水が入りっぱなしになることもあります。同じ大きさの隙間でも、放置される時間が長いぶん、被害は静かに深くなっていきます。
だからこそ、空き家では「見てくれる人がいるかどうか」が、そのまま被害の大きさを左右します。もし自分がすぐに行けないなら、台風のあとに一度見に行ってくれる人を、近所や親戚で一人決めておくだけでも安心感がまったく違います。
台風の雨は、普段とは違う角度から家に当たります。屋根だけ見ても足りませんが、プロに頼まなくても、所有者が外を一周するだけで防げる被害はけっこうあります。
最後に、今日からできることをひとつだけ。
実家に帰ったら、入る前に外を10分だけ一周して、スマホで写真を撮っておく。 これだけです。
台風が過ぎたあと、同じ場所をもう一度撮って見比べれば、変化はすぐ分かります。もし保険の相談をすることになっても、その写真が役に立つことがあります。
10分の散歩のようなものですが、その10分が、実家の未来を守ることがあります。
最後に簡易チェックリストをつけておくのでご活用ください。
□ 雨どいに詰まりがない
□ ベランダの排水口が流れる
□ 側溝に土や落ち葉がない
□ 窓・雨戸が閉まる
□ 飛びそうな物を片づけた
□ 外壁や換気口を確認した
□ 天井や壁を撮影した
□ 重要な物を高い場所へ移した
□ 天井や壁に新しい染みがない
□ サッシや床が濡れていない
□ 押入れに湿気や臭いがない
□ 雨どいや軒裏が外れていない
□ 外壁や屋根材の落下物がない
□ 被害箇所を写真で記録した
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