• 空き家管理、実家の管理はおまかせください。

「遠くにあるし、今すぐどうするか決まっていないから…」そう思って、しばらく空き家をそのままにしている方はおおいと思います。

ぼくも現場で、そういう気持ちをたくさん聞いてきました。
ただ、空き家の管理を後回しにすることで、思いがけない被害が起きることがあります。

しかも被害の本当のつらさは、失った金額よりも、「家に知らない誰かが入った」という事実にあることが多いのです。

今日は、実際の現場から見えた空き家の防犯リスクと、所有者としてできる対策を整理してお伝えします。

何度も狙われた空き家。被害はどんな順番で起きるのか

空き家への侵入被害は、一度で終わらないケースが少なくありません。

実際の被害状況を見ると、最初は「窓ガラスが割られた」といった軽微に見えるものから始まり、次にエアコンの室外機や浄化槽のポンプといった設備が盗まれ、最終的には雨戸をバールでこじ開けて室内に侵入されるという段階をたどることがあります。

このような段階的な被害が起きやすい背景には、一度標的とされた空き家は「侵入しやすい」と判断され、繰り返し狙われやすくなるという側面があります。

被害が小さいうちに発見できればよいのですが、空き家は誰も住んでいないため、気づくまでに時間がかかりやすいのです。

盗まれたお金はゼロでも、失うものは大きい

空き家の空き巣被害で注目されがちなのは「盗まれた金額」ですが、実際の現場で所有者の方が口にされた言葉は、それとは別のところにありました。

「もうこの家には住めない気がします」

この言葉が示すように、室内に侵入されたという事実だけで、その家への気持ちは大きく変わってしまうことがあります。

親が暮らしていた記憶、子どものころの景色、玄関を開けたときの匂い。

そういったものが積み重なった場所に、知らない誰かが無理やり入り込む。引き出しをひっかき回された室内、土足の足跡…それは金銭的な損害とは別に、精神的にとても重い被害です。

さらに、空き巣被害は所有者の「意思決定する力」も少しずつ奪っていきます。

「いつか使うかもしれない」と思っていた家が「もう無理かもしれない」に変わる。

売ろうとしても、貸そうとしても、まず修理が必要になる。

その見積もりを取る気力さえ失われてしまう。そういうケースは、決して珍しくありません。

なぜ空き家は繰り返し狙われるのか

空き家が「狙われやすい家」になる理由は、外から見て「誰も来ていない」とわかってしまうからです。

たとえば次のような状態は、外部からのサインになりやすいとされています。

  • 雨戸やシャッターが長期間閉まりっぱなし
  • 郵便受けにチラシや郵便物がたまっている
  • 庭の雑草が伸び放題
  • 夜になっても一度も明かりがつかない
  • 近隣との接点がほとんどない

また、実際の現場では、空き巣が侵入後に冷蔵庫を確認して「本当に空き家かどうか」を判断するという話も出てきました。

中のものが少なかったり、古いものばかりだったりすると「誰もいない」と判断され、じっくりと物色されるリスクが高まります。

現場から見えた、空き家防犯の3つの盲点

盲点① 雨戸を閉めていても、安心とは言い切れない

「雨戸があるから大丈夫」と思われている方も多いですが、実際にはバールなどの工具でこじ開けられるケースがあります。

「閉めているかどうか」だけでなく、「外されにくいか」「そもそも近づきにくい外観か」という視点まで合わせて考えることが大切です。

盲点② 外にある設備も被害の対象になる

室外機、給湯器、浄化槽のポンプ類といった屋外設備は、空き家被害の中でも見落とされやすいポイントです。

室内に入られなくても、外回りだけで被害が出ることがあります。定期的に確認が必要な場所のひとつです。

盲点③ 「空き家っぽさ」が積み重なると、外から判別されやすくなる

伸びた雑草、テープで塞がれた郵便受け、ずっと閉まったままの窓、夜に一度も灯りのつかない家。

こうした小さなサインが重なると、「この家は誰も来ていない」と外から判断されやすくなります。

ひとつひとつは小さなことでも、組み合わさるとリスクが高まる可能性があります。

空き家管理は「草刈りや通風」だけではない。防犯の入口でもある

空き家管理というと、定期的な草刈りや窓の開け閉め(通風)・水の流し(通水)をイメージされる方が多いかと思います。もちろん、それらも大切なケアです。

ただ、実際の現場を見てきて感じるのは、空き家管理は防犯対策の入口でもあるということです。

定期的に人が来ている、郵便物がたまっていない、草が伸びっぱなしではない、外回りの設備に異変があればすぐ気づける。

こうした積み重ねが「この家は誰かが見ている」という状態をつくります。

それ自体が、犯罪の抑止力になりやすいのです。

一般的に防犯対策として挙げられるセンサーライトや防犯カメラ、防犯砂利の設置も有効とされていますが、それらと並んで「定期的に人が訪れる」こと自体が大きな意味を持ちます。

管理とは、建物を維持することだけではありません。「誰かが気にかけている家」という状態をつくり続けることでもあります。

空き家を守ることは、家族の記憶と地域の安全を守ること

空き家の空き巣被害は、単なる盗難事件ではありません。

所有者の不安、家族の記憶、地域の安全…さまざまなものが絡み合っています。

被害が起きてから動くのと、起きる前に動くのとでは、所有者の精神的な負担がまったく異なります。

「まだ大丈夫」と思っている間に対策を取ることが、結果的に家を守ることにつながります。

誰も住んでいなくても、その家はあなたの家です。

だからこそ、どう守るかを早めに考えていただきたいと思います。

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